1997.12.31
 さるメーリングリストで湯葉の工場直売サイトを教えていただいたので、さっそく覗いて『限定鍋セット』というのを注文してみた。Webページで注文した翌々日にはクール宅急便で届くというスピードもさることながら、何よりその湯葉の美味しさに驚く。刺身にしてわさび醤油でいただく汲み上げ湯葉も絶妙、また山菜を巻いて丹波地鶏の鍋に放り込んで食べる生湯葉も良し。ゆば甚さんというお店、勝手にリンクしちゃったけど、読者様もぜひお試しの程を。
 年内はこれで最後の更新に。どうも今月は当編集日記も低調だったが、何卒お見捨てなきよう、新年も変わらずご購読賜りますよう、お願い申し上げます。では、皆様良いお年をお迎え下さい。

1997.12.30
 せっかくだからJacobsの新譜でクリスマス・オラトリオでも聴こうかなどと思っているうちに、あっと言う間に日々は飛び去ってもう年末。会社の仕事用マッキントッシュ機のハードディスクはクラッシュするし、弱ったものである。
 ショルティの新ブルックナー全集(旧ってあるのかな)が格安で出回っているのを捕獲し、いきなり8番から聴く。シカゴ響の金管が悲鳴をあげる演奏というのも珍しい。次いで5番の終楽章。この曲はついつい軟弱に、終楽章しかも最後の10分くらいを頭出しして聴いてしまうのであった。

1997.12.23
 年の瀬、だいぶ押し詰まってきたが慌ただしさは変わらず、日々を自転車操業的にやり過ごしている編集者ではある。皆様はいかがお過ごしでしょうか。
 古き外套よ、と歌うのはラ・ボエームのコルリーネだったか。編集者はこのたび、8年来着続けてきたヨレヨレのレインコートを手放すことに。初めての海外旅行で、最初に訪れたロンドンの老舗で買ったコートだが、ベルトはすり切れ、汚れはクリーニングでも取れなくなる有り様で、傍目にも見苦しい状態で関係各位からご批判を戴いていたのであった。
 で、今度は通販カタログでNYのお店に注文を出したのだが、ここはショップは老舗なのだが通販は必ずしも専門ではなく、そのせいかどうか、オーダーから商品到着まで約1.5か月を要した。12月に入って、もはや関東地方もかなり寒くなっているのに、ほんとうに品物が届くかどうか心配しながら、コートなしで過ごすのはなかなか辛かった。でもまぁ、結果的にはコートは手に入り、サイズが大き過ぎてやや見かけが悪いのを我慢すれば、何とか寒さは防げて有り難い。
 コルリーネは友人のために外套を質に入れて僅かな金を得るのだが、古くてもお金になるのは余程品物が良かったのだろう。編集者のコートは二束三文にもならず『着ているから着物だが脱げばぼろ切れ』というやつである(^_^;)。

1997.12.15
 買ったままどうゆうわけか数カ月以上も放置されていたクレメルのピアソラ・アルバム『El Tango』をようやく聴いた。いやーこいつもなかなか気分良し。一枚目に比べずーっと実験色が後退し、ピアソラのオリジナルっぽさが前に出てきているので、アヴァンギャルド系を期待される向きにはやや拍子抜けかも。でも別コンセプトのアルバムと思えばそれなりに十分格好良いし。ミルバの歌唱もアサド兄弟のギターもたまらない。
 それにしても何だかこのアルバム、ブームのおかげかどうか、どのテイクもそこら中で鳴り響いていたらしく(レコード屋さん他だと思う)、初めてアルバムを聴いた筈なのにどれもこれも、耳に馴染みあるプレイになっていて新鮮味が。やはり買って直ぐに聴いておいたほうが良かったか。当たり前か。
 遠巻き状態のチェリビダッケ正規盤、数日前からボックスが店頭に出ているが、うーむ、どうしようか。どうも怖いもの見たさの魔力が。といっても辛うじて理性で踏みとどまれる瀬戸際に立ってはいるのだが。そういえばインターネット経由でアメリカあたりに発注するとお値段はいくらくらいなのだろう。新宿界隈では16,000-17,000円近辺なのだが。

1997.12.12
 国内盤でポリグラム系3レーベルから出ている1,200円のシリーズ。ヴィーン・フィルとワルターの組み合わせによる『大地の歌』が含まれている。クラシックを聴き始めた頃、ロンドンレーベルから1枚ジャスト1,000円というレコードのシリーズが出て、僅かな小遣い銭をはたいてあれこれ買ったなかの一枚がこれ。当時の耳にも名演と聴こえたものの、ずいぶん長いこと棚に入れっぱなしにしているうちに、ディテールを忘れてしまっていた。
 今回聴き直してみて、あらためてその素晴らしさに驚いた。この曲はなかなかこれ!という演奏に出会えないと思っていたのだが、ひそかにワルターの演奏がディフォルトになっていたのかも。
 それにしても、あの千円盤シリーズにはお世話になった。メンゲルベルクの悲愴、フルトヴェングラーのフランクの交響曲、バックハウスのブラームスの1番2番協奏曲などなど。今聴いたらどんな感想を持つだろうか。

1997.12.08
 爆忙状態から多少時間にゆとりができ、久々に土日を休むことができた。で懸案のAkia Microbook Power 604e/233SPをセットアップ。約4年の間現役で頑張ってきたApple Power Macintosh 8100/80AVからデータを移行したのだが、知識もなくLocaltalkでネットワークしたら遅い遅い。数百メガバイトのデータをコピーするのに10数時間かかってしまった。
 で、まとめてデータを移している合間をぬって、はじめてすみだトリフォニィ・ホールへ行き、御大朝比奈隆氏の振る第9を聴いた。これはチケットを手に入れて下さった友人との約束で、近々音楽通信のほうに感想を書くことになっている。が、簡単にここで申し述べれば、一言「立派な演奏だった」と。
 帰宅後、パソコンのセットアップもようやく一段落し、こうして記事を書いているのだが、BGMはNHK教育で放映中のピアソラ。うーむ、これがまたとても良いのである。録画しておくんだったなぁ。


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