1998.06.26
 ああっ、またやってしまった。NAXOSの新譜『映画を彩るピアノ協奏曲集 Piano Concertos from The Movies』 (8.554323)。ワルシャワ・コンチェルトやヒチコックの『白い恐怖』の音楽などが聴ける。このなかにシドニィ・ルメットの珍しい娯楽作品『オリエント急行殺人事件』の主題曲が収録されていて、20年ぶりに楽しんで聴いたのだが、当通信記事中「ジョルジュ・ドルリュとアメリカの夜」で、この音楽をドルリュの作品と書いてしまっていた。正しくはリチャード・ロドニィ・ベネット。お詫びして訂正をさせて戴く。
 余談ながらこの『オリエント急行』の音楽、主題曲はときどきBGMなんかでも聴くことができるのだが、今回のCDの編曲では「ワルツ」がくっついていて、これが懐かしかった! オリエント急行がいよいよ走り出すシーンで使われていたはずなのだが、中学生の時に観て以来、にも関わらず旋律を鮮明に覚えている。で、20年以上ぶりに、この曲を聴くことができてたいへん満足。
 ....それにしても、思い込みで勝手なことをあれこれ書いているが、こういったエラーはまだ当通信のそこら中にころがっているのだろうなぁ。うーむ、危険だ。

1998.06.24
 わたしは湿気が嫌いだ!! って喚きたくなるような、いやーな天気。ここ二、三日の東京方面は気温は低くて、むしろ肌寒ささえ感じるくらいなのに、風呂場の底のようにじめじめとして気分が悪い。携帯CDプレーヤで、ヨースケさんの『ストーン・フラワー 〜 カルロス・ジョビンに捧ぐ』を聴くが、あぁ何て似合わないんだ。カラリと晴れた海岸に立てたパラソルで日差しを避けながら、クラッシュ・アイスをぶち込んだ、気の利いたカクテルを片手に聴きたい。

1998.06.21
 にわかサッカー・ファンの編集者だが、ワールド・カップの日本×クロアチア戦に大失望。まだしも対アルゼンチン戦のほうが「惜敗」という言葉に近いものがあった。とにかく、つまらないパスミスが多くて情けない。それに、先週はもう少し攻めて欲しいと思ったが、ただがむしゃらにゴール前にボールを持っていこうとするだけでは駄目なんだろうな。ラモスがNHK中継の解説で怒り狂っていたのがご愛敬だが、さもありなん。

1998.06.18
 新宿VMSで独ハルモニア・ムンディの在庫処分をやっている。で、レオンハルト指揮ラ・プチ・バンドのマタイなどを懲りずに購入し聴き始めるが、例によってあえなく玉砕。それにしてもこの演奏、少しオケが前に出過ぎていないか。何かオルガンの倍音らしき音が不協和に響いているような気がするのも、編集者の気のせいだろうか。妙に耳障りなんだけど。
 口惜し紛れにDGの20世紀音楽シリーズから、リゲティ作品集を聴いてみたりして。う゛ーむ、ルクス・エテルナってやっぱり凄い。異常だ。このひとはいったい何を考えているんだろう。アヴァンチュールも相当キているぞ。
 話変わって来週24日には、なんと山下洋輔さんの18枚組ボックスが出るのだそうで、何となんと、懐かしのフラスコ・レーベル音源の初CD化16枚を含むのだと。思えばフラスコの『モントルー・アフターグロウ』を聴いてヨースケさんにハマったのだったよなぁ。第二次山下トリオ、坂田明の雄叫びが思い出される。話はさらに幅跳びするが油井正一さんも亡くなられた。合掌。

1998.06.16
 数日前から、ノイズ・キャンセリング・ヘッドフォンというものを試している。以前からSONY製のものに目を付けていたのだが、さいきん某社製の新製品が出て、仲間うちで話題になったのをきっかけに入手した。これまで通勤時に使用していた密閉型のヘッドフォンが、夏に向けて少し暑苦しくなってきたせいもある。さくらや価格で9,000円強。
 で、結局SONYのインナーイヤー型を使っているのだが、なかなか効果がある。とくに地下鉄乗車中の轟音のなかでも、ボリュームをあげずに古楽なんか聴けるのが有り難い。編集者は耳の穴が小さいのか、インナーイヤー型ヘッドフォンをしばらく使っていると耳が痛くなるので敬遠していたのだが、これはなかなかフィット感もある。それにしても、地下鉄の車内ってあんな猛烈な騒音が鳴り響いていたのか、とあらためて驚いた。
 昨夜の帰宅時には、このヘッドフォンでNAXOSのオケゲム(オックスフォード・カメラータによる合唱)を聴いたりした。悪くない。騒音が減衰している分、聴き入ってしまって乗り換えを忘れそうになる、という欠点だけ解決できると良いが(^_^;)。

1998.06.09
 さるメーリングリストで「CisとDesは同じ音か違う音か」という話題になっていて、しからばご説明を、としゃしゃり出ようと思ったのだが、はたと困った。自分が如何に、この問題を正しく理解していないか、ということに気付いたのである。純正律だの十二平均律だのといった単語が頭の中を駆け巡り、振動数が2倍でオクターブとか、2:3は何度だったかな、とか、あやふやなことおびただしい。10数年前、某大学のバンドにトラで通ってたとき、いいハーモニーをつくるために、医学部の先輩がレジュメを配布して一所懸命説明して下さったことを思い出す。あのときもっと真面目に教わっておくんだった、と反省するが後の祭り。

1998.06.02
 さいきん会社のパソコンに導入してひとり悦に入っている HAL9000 simulators がなかなか秀逸。例の2001年宇宙の旅に登場するコンピュータ "HAL9000" にちなむもので、デスクトップピクチャを設定すると、宇宙船ディスカバリー号内部のそこかしこに登場するモニタやら、例の赤いセンサーやらが画面に並ぶ。アイコン集やサウンドクリップも添付。さらに、起動時用ファイルを設定するとパソコンを立ち上げるたびに、あの懐かしいHALの声で挨拶が聞こえる。どんな挨拶かはお楽しみ。Macユーザで、しかもこの映画に親しんだ経験のある方はぜひお試しください。愛用のMacが発狂していく様を見られるかも(^_^;)。

1998.06.01
 サロネン=フィルハーモニア管、毎日5割程度の入りだったにも関わらず、Webの世界ではあちこちに感想が残されていて安心するやら嬉しいやら。CLASSICAに出ていた飯尾さんのコメント、ベロフのルーズさ云々って分かる気がする(無断引用ごめんなさい(_ _))。アンコールのドビュッシィでは、ときどき一瞬次のフレーズを忘れているんぢゃないか、と思わせるところがあって、双眼鏡で観るとベロフがぺろっと舌を出していそうな妄想に囚われもした。編集者は、彼が再起後も以前と変わらない様子であることに、何だかほっとしたのであるが。
 オペラシティ・コンサートホールにはあれこれ苦言を呈したけれど、この際と思ってBCJの会員になった。7月から4回分の定期演奏会を聴く。しばらく実演から遠ざかっていた(年1-2回ペース!!)のだが、徐々に復活の兆しが(^_^;)。


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