1998.08.31
 育児に翻弄され続けた8月も終わりつつあるが、疲れのせいか週末のたびに発熱するのがあまりにもだらしない(^_^;)。その後ベートーヴェン方面は、マッケラスの全集を制覇し、ジンマンの5-6番を捜索する日々。アルゲリッチのラヴェルのト調は伴奏がいまいちだったなぁ。気分転換にと思って衝動買いしたフランソワ(初めて聴いた(^_^;))もなんだかもう一つ。夜のガスパールの名演の推薦を希望。宛先はこちら

1998.08.22
 旧盆のあいだ、東京方面のオフィス街は人影も少なく、ラッシュアワーも座席にありつけるなど、暑いながらもシアワセな数日間であったが、さいきんはすっかり元通り。カッと照りつける強烈な夏の日射しにも出くわさない割には、みょうにジメジメと蒸し暑くてすっかり身も心も不健康な日々。土・日もなくあれこれ雑事を片づけているうちに疲れが溜まって、夏風邪がぶり返してしまった。
 こんなとき、案外ベートーヴェンの交響曲が励みになることを発見。こちらがあまりにも単純なのか。もっとも聴いたのはジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管によるやや古楽系に寄った演奏で、これがクナ某やらチェリ某の演奏だとどうであったか。笑い出したりして、それはそれでストレス解消にはなるかも知れない(関係者の方々へ、暴言多謝(_ _))。

1998.08.13
 数日前の深夜番組で見かけて以来、気になっていた宮崎哲弥氏の近著『身捨つるほどの祖国はありや』(文藝春秋)をようやく購入、読み始めている。久しぶりに「電車を降りるのも惜しい」ほど読み応えがある本に遭遇した。著者は編集者と同世代の方だが、こういう作家が出るたびに我が身の無知さ加減と不勉強を反省する(^_^;)。食わず嫌いをしていた福田和也氏の著作もこのさい読んでみるか。

1998.08.11
 サー・トーマス(・ビーチャム)大人の振るR.シュトラウス『英雄の生涯』の録音(TESTAMENT)、これは拾い物だった。予想に反してきびきびとスタイリッシュな演奏、RPOのびっくりするほどの妙技の冴え。ステレオ以外は聴かないなどと豪語していた編集者だが、このところのDUTTONやらTESTAMENTやらの、良い仕事に相当影響されている。
 ところでこの音盤のジャケ絵に写る二人の老人、他ならぬビーチャムとシュトラウスであるが、録音された1948年にはビーチャム69歳、シュトラウス84歳!! 写真からは二人の矍鑠たるようすも窺えるが、とにかくこの二人、完全に同時代人だ(当たり前だ、という声もあるかも知れないが、愚鈍な編集者はようやく気付いた次第)。『英雄の生涯』も『サロメの踊り』も、要するに当時の現役(とは云いづらいかも知れないが)作曲家による作品だった。たとえそれが後期ロマン派の最後の輝きであったとしても、ビーチャム翁は作曲家自身とスコアを仲良く参照できる立場であったわけで、あぁ、そういう時代だったのか、と不思議な感慨にとらわれる。

1998.08.06
 毎晩毎晩規則正しく、深夜0時および3時、早朝6時に泣き出す同居人が増えたおかげで、寝不足が甚だしい。明け方のは目覚まし代わりに丁度いい、などとやけになって考えてもみるのだが、だからといって昼間といい夕方といい何処に居ても眠くなることが解決するわけではない。おまけに、関東地方は極端に蒸し暑いため、ほんとうに意識が朦朧としてくる。
 こういうときはシベリウスでも聴けば多少は涼しくなるか、などと考えるのはあまりにもステレオタイプな思考かどうか(^_^;)。まぁ、そうなのだろうな。だいいち、ヘッドフォンでいくら北欧気分に浸ってみても、二の腕に浮き出す汗の粒が減るわけでも無し。いっそティルソン=トーマスの録音したヴィラ・ロボスでも聴くか。強烈なジャケ絵につられて買ったが、一、二回しか聴いてないな、あの音盤。

1998.08.04
 8月になってしまった。暑い。関東地方もようやく梅雨が明けたという。7月末に1週間ほど夏休みを戴き、家事育児に専念していた編集者も3日から社会復帰した。が、やや家事疲れというか。慣れないことをむきになって一所懸命するものだから、へたばっている。
 ムーンライダーズ『月面讃歌』、家事疲れの耳に良い刺激となって、味わいがでてきたのは喜ばしい。いつものような歌詞の深みに加えて、初めは少し重ったるいかと思えた冒頭の曲のリズムなどが、だんだんハマって聴こえてきた....のだが、全体に少し冒険不足というか、まとまりが良すぎて少しキレイゴトというか、そんな感じはつきまとうのだよなぁ。このさい旧譜でもまとめて聴いてみるか。良い参考書も出たことだし。
 というわけで、探し求めていたライダーズ本『20世紀のムーンライダーズ』(音楽之友社)をようやく手に入れ、半分ほど読んだ。志田歩さんによる鈴木慶一さんへのインタビューを初めとして、メンバーへのロング・インタビューが極めて充実していて読み応え十分。その上ディスコグラフィなど資料的価値も完璧で、これ以上のものは当分望めないのでは。ウワサでは出版後、慶一さんが熱心に赤を入れている、という話もあるようだが、まずはマニアにも、入門者にも大推薦。

 クラシック音盤のほうはどうかと云うと、ここんとこ、もうぜんぜん聴けてない状態なのだが、ストックはあって、ノーリントン指揮のRVW、4&6番をゲット済み。二、三日中にはトライしたい。前の3&5番もそうだったが、ジャケ絵が鮮烈で、つい手にとってしまった。一緒に手に入れたサロネンのブルックナー4番のジャケ写はまるでつまらないものなのだが、こちらは中身で勝負?

 というわけで、久々の編集日記にだらだらと書いたが、最後にちょっと予告。クラシック者にはすでにおなじみのCLASSICAの常連ライターさんであるさるお方が、この8月からご自身のページを開設された模様で、コンテンツも初めからたいへん立派な内容なので、近々ぜひお願いして、リンクさせて戴こうと思っている。こちらのページのリンク集で、勿体なくも当通信をご紹介戴いており、大感謝(_ _)。


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