1998.11.25
 先日ある場所で、初めてお会いした方と音楽談義をさせて戴いたのだが、その際「お好きな指揮者はいらっしゃいますか」というご質問に思わず絶句してしまったのだった。うーむ、とっさに誰の名前も思い浮かばなかったのは、個別の指揮者への愛が欠けていたのか(^_^;)。で、あとで少し考えてみて、たとえば「この人の新譜には(作品を問わず)ほぼ間違いなく手を出す」といった観点で名前を探してみると、やっぱりいるのだな、これが(^_^;)。
 古くからのおつき合いで云うと、ジュゼッペ・シノポリ。これは編集者の知人のなかでは殆ど良い評価を得られず、何か自分一人で孤軍奮闘して擁護している状態。さいきんではまず、サロネン。シノポリの場合はあばたもえくぼ的につきあっているが、サロネンの録音では今のところ外れを聴いていない。ヘレヴェッヘの場合は、あまり予備知識も無い状態なので冷静な判断とはいいにくそうだが、これも外れなし。ラトルも以前からずっと意識の片隅にいつもいるひとなのだが、こちらは結構好みの当たり外れがある感じ。老大家でいうと、ヴァントのいくつかの録音にはずいぶんびっくりさせられていて、できるだけ聴きたい巨匠の一人ではある。
 国内の指揮者では、録音で接するチャンスは少ないが、大野和士と広上淳一の公演には注意しており、できれば聴きに行きたい指揮者。
 まずは、そんなところだろうか。明日になるとまた、違ったリストになっているかも知れないのだが(^_^;)。

1998.11.23
 ヘレヴェヘ指揮コレギウム・ヴォカーレのバッハとシュッツを聴く。11月22日東京・北とぴあさくらホール。いや、素晴らしかった。今回は総勢24名のコーラス(ソプラノ6、アルト4、カウンターテナー2、テナー6、バス6、かな?)に、日本勢の通奏低音つき。
 ハーモニーの美しさ、明瞭な発声と発音、表現の多彩さなどなど、もう手放しの大絶賛で少し恥ずかしいほど。でも本当に宜しいのである、これが。東京では次の金曜日に何とベートーヴェンの『合唱』もあるし、札幌や鳥取などでも演奏会があるらしい。お時間のある方はぜひお聴き逃しなきよう。編集者は20日のフォーレ、ストラヴィンスキー、ブルックナー(曲目追加になったのだそうで)のチケも持っていたのだが、仕事に追われて会場へたどり着けなかった。あぁ悲しい(;_;)。第9はぜったいに行くぞ。ちなみにエグモント序曲は曲目変更で、フリーメイソンの葬送音楽か何かになるらしい。

1998.11.19
 東越谷方面では18日未明は概ね晴れて、数個の流星を目撃できた。1時半、3時、5時の三回、赤ん坊に起こされたタイミングでそれぞれ5分ほど空を眺めたが、すぐに1-2個みることができたので、効率は良かった感じが。聞いた話では、カナリア諸島あたりで1時間に2,000個、という報告もあったらしく、どうも今回は大西洋方面で大当たりだったそうで。次は33年後、と言いながらも、来年もう一度同じ軌道上を通過する、ちょうど今頃の季節に、ひょっとすると今年以上の、という予想もあるという。
 ヤルヴィのショスタコ、11-12番とタスミン・リトル嬢のラヴェルのVnソナタなどを聴く。リトルのラヴェル、はめを外さず端正で繊細な歌いぶりがなかなか素敵。こんどは小品集でも聴いてみようか。
 アクセスカウンタがいきなり壊れた。原因不明。これまで十数ヶ月使ってきて、初めてだと思う。ふだんアバウトに数字をみているものだから、正確な数字に戻すことはできなかったが、ともあれ来月には10,000件に到達する模様。なにかイベントを考えないといけないかも。さてさて。

1998.11.18
 慌ただしくしていて、また更新が滞ってしまった。先週末は風邪をひいて会社を休む有様で情けない。通勤の往復時にはわりあいCDも聴いてはいるのだが。
 デイヴィッド・ジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管によるベーレンライター新校訂版ベートーヴェン・チクルス、『英雄』及び4番は、これまで聴いた5,6,7,8番と同傾向の意欲的な演奏ながら、少し勢いに陰りが出たかも。カラヤン=ベルリンPOのEMI録音による『英雄の生涯』は、もう恐れ入りました、という感じで何も文句はない。美しいジャケットに包まれた『20世紀のピアニスト』(スタインウェイ協賛)シリーズからは、リヒテルの展覧会の絵を入手。若き巨匠の思い切りの良さとミスタッチの多さに驚く。ここ数日の拾い物は、テミルカーノフによるショスタコ『森の歌』。この曲は20年前に聴いた渡邊暁雄=日本フィルの録音(日本語訳による歌唱)や、スヴェトラーノフの来日公演時の演奏などが強く印象に残っているが、いま改めて聴いてみると、やっぱ、これってあまりにも○作。あの頃は傑作と思って聴いていたのだがなぁ。
 18日早朝はしし座流星群に期待が集まる。夜中に赤ん坊に泣かれて目を覚ましたら、ベランダへ出てみようかな。

1998.11.10
 先週末は、インターネットのオンライン通販で、ときどきお願いしている土佐高知は「井口フルーツファーム」から送っていただいた鰹のたたきを賞味。スライスしたにんにく、きざんだ細ネギ、それにオリジナルのポン酢入りしょうゆ味のタレでいただくと、もう絶品。あわてて夜中に買いに走ったむぎ焼酎にもよく合って、とても美味しい。
 いまどきのは「戻り鰹」というのだそうで、脂がのって、さながらトロのよう。三、四人前はいける、というふれこみの一節を、同居人と二人でぺろっと食べてしまう。戻り鰹は11月上旬までが旬なのだそうだが、まだ間に合うかも。頼まれもしないのについつい宣伝してしまう美味しさなので、ご興味のある方はぜひ。
 それにしても、このお店のせいではないが、やはり物流コストは高価くつく。土佐からお江戸まで鰹のたたき二節を冷蔵輸送で1,000円。ここがもう少し安くなれば、もっと気軽にあちこちの名産を食することができるのだがなぁ。

1998.11.04
 爆笑もののソフトウェア・ツールをみつけた。日経MacのShareware Centralという、Macintosh用のお勧めツールを掲載するページにあったのだが、ソフトそのものはテキストファイルを指定の辞書に従って自由自在に変換・文書整形するという優れもの。その名をConvChar(昆布茶(^_^;))という。別に何が爆笑という訳でもない。
 しかし、ある辞書を指定すると、テキストを一気に旧仮名遣いプラス旧字体に置き換える。たとえばこんな具合にだ。
 爆笑もののソフトウヱア・ツールをみつけた。日經MacのShareware Centralといふ、Macintosh用のお勸めツールを掲載するペイジにあつたのだが、ソフトそのものはテキストファイルを指定の辭書に從つて自由自在に變換・文書整形するといふ優れもの。その名をConvChar(昆布茶(^_^;))といふ。別に何が爆笑といふ譯でもない。
 しかし、ある辭書を指定すると、テキストを一氣に旧假名遣ひプラス旧字體に置き換へる。たとへばこんな具合にだ。
 はじめから変換後のイメージを想定しながら、オリジナルのテキストをつくっていくのがコツだそうで、ただの平文を変換しただけでは味わいに欠けるものらしい。ともあれ、なかなか応用が利きそうなツールではある。こういうのはWindowsでも何でも、別に今更というものなのかも知れないが、近年まれな感動を覚えたので、つい(^_^;)。
 ちなみにこの辞書の名前を『丸谷君』といふ、ぢゃなかった、いう(失笑)。

1998.11.03
 どうも、先月は当通信至上最悪の更新頻度であったかと。ここ2〜3ヶ月というもの、意欲減退方向に進んでいる模様で、金融関連株の下落率と無関係ではないかも知れないとか、そうではないとか(失笑)。年末に向けて多少巻き返そうとか、今月はひょっとすると一万部発行を迎えられるかも知れない、などといった観測も踏まえて、また少しずつ亀の歩みで進みたい。カウンタの進み具合はアクセス頻度減にも関わらずコンスタントに増加傾向にあって、支えて下さる常連様にはいつもながら感謝の言葉も無い。

 ところで先月からトップページにバナーを貼り付けているのだが、親しくお付き合い戴いている方が発起人となっている「「みんなが使えるインターネット」をめざすユーザの会」というのを応援することにした。
  • 経済と生活の活性化をめざして、いますぐ低料金・定額のインターネット接続環境を
  • 民間競争を通じて
  • 事業者に一方的な犠牲や奉仕を強いることなく
  • すべての人間に提供する
    ことの実現に向けて活動していこうとするのが本会の趣旨。興味のある方はぜひリンクをたどって、掲載されている情報を参照してほしい。そしてできれば、本会の応援に加わってほしい。

     さらに話題はかわって、ここ数週間の円高傾向を有り難がって、先週久しぶりにバークシャーにオーダーしてみた。例によって注文から小包到着まで中二日という素早さ。
     今回の収穫は、ノリントンのドン・ジョヴァンニ、妖精の女王、ブル3や、マルゴワールのモツレク、四季、水上/花火、インマゼールの弾くモーツァルト協奏曲、ドビュッシィ、チョン・ミュンフンのマクベス夫人とニールセン、サロネンのステンハマル、等々といったところ。
     マッケラスのウォルトン1,2番と、ザンデルリンクのシベリウス全集も期待度高。全部で23枚もあるが、ぼちぼちと聴いていく心積もり。

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