1999.04.01
 月末そして年度末の翌日は晴れて年度初日。というわけで、当通信も心機一転、更新頻度向上を目指して(^_^;)頑張る所存ですので、引き続きご愛読をお願い申し上げる次第。
 で、カルロス・クライバーといえばつい先日もカナリア諸島への演奏旅行で話題をまいたばかり、このところいわゆる「田舎」ばかりで演奏会を持つのはご本人の意向だそうだが、なんと次回の別府音楽祭への客演がほぼ決まったとか。別府といえばピアノの女王アルゲリヒというわけで、共演への期待もいや増すというもの。
 ネタ元はDGの米国サイト。なんか、この二、三日やたらつながりにくいと思っていたら、こんなニュースが。クライバーの演奏会、さすがに世界中の関心を集めているということか。

1999.03.31
 ああっ月末そして年度末になってしまった。だいたい年度末だからってそんなに慌ただしくなるような仕事では無いはずだったのだが。やはり能力の欠如が生産性に大きく影響しているのか。ううーむ。
 編集者ご贔屓のジンマン=チューリヒ・トーンハレ管によるベートーヴェン交響曲連続録音が完結。最後の二枚(1・2番と9番)は東京新宿某店では@700円程度で入手可能。こんなに格安で、もうとにかく面白いベトがぜんぶ聴けて良いのだろうか。ちなみに全曲五枚をパッケージにしたものが同時発売。三千円でお釣りが来る。未聴の方はぜひ騙されたと思ってトライされるようお勧め。
 ちなみに9番はライナーノーツによれば総計72分も掛かっていて、新校訂版の演奏としては極端に遅い....と思いきや、終楽章(の、アラ・マルチア以降)が二テイク収められている。ジンマンの楽譜分析によるもう一つの回答のようなものらしいのだが。

1999.03.24
 アカデミー賞授賞式の話題をもう一つ。主題歌賞に絡んで『ベイヴ何とか』いう映画のテーマを会場で歌っていたのは、なんとあのピーター・ガブリエルだった。数日前のXTCの悪夢がよみがえったのでショップに赴いて探したところ、ピーターの新譜らしいものはなかったのでとりあえず安心。でも、ずいぶん新作にご無沙汰だよなぁ。CD-ROMタイトルの「エクスプローラ1」からこっち、何か出ているのだろうか。
 掘り出し物がたくさん出土するのでわりあい楽しみにしているARTE NOVAからはギーレンのショスタコ12番が。こないだムラヴィンスキィ1961年録音盤の凄絶な演奏を聴いてぶっ飛んだばかりだが。1楽章冒頭から思いの外ぶ厚く鳴りまくる南西ドイツ放送オケ(合ってる?)、先にいくに従ってクールさがだんだん勝ってくるような不思議な演奏。それにしてもこの曲もかなりへん。8番あたりと共に、ショスタコの交響曲のなかでは編集者好み。

1999.03.23
 アカデミー賞の授賞式抜粋を久しぶりにテレビで観たが、さいきん殆ど映画を観ていないせいか、役者も監督も知らない名前が増えた。プレゼンターのほうに知っている人が結構出ているのが多少の救いではあったが。
 ジャクリーン・ドゥ・プレをモデルにしたらしい『ヒラリーとジャッキー』の姉妹が主演/助演女優賞にノミネートされていた。この映画、いつ頃公開されるのかな。そもそもどういう話なのかもよく知らないのだが。なんだか暴露本が原作だとかいう話も聞いた。彼女の録音、月並みだがディリアスの協奏曲などがとても良い。
 メリル・ストリープは11回目のノミネートだそうで。このひとが名女優だということはもう十分よく分かっているから、ほかの人にもチャンスを与えてあげたいという気もする(^_^;)。それにしても、よくテンションが続くものだ。
 黒澤明がもう少し大きく取り上げられるかと思っていたが、直前にキューブリックが逝ったこともあって、スピルバーグのスピーチは彼に捧げられることになった。でも、スピルバーグならやっぱり黒澤ぢゃないのかな。それに、テレビでおすぎサンも云ってたけど、キューブリックはハリウッドでは不遇だった。エリア・カザンに名誉賞を与えたことは立派だったが、キューブリックへは若干の罪滅ぼしのつもりもあったのか。
 編集者は彼の作品では『バリー・リンドン』を観ていない。懸案の『デルス・ウザーラ』とともに、しっかり観ておきたい作品のひとつ。

1999.03.18
 いやー、この本が出るとは思わなかった。『巨人のイタチョコの星のシステム』ラショウ著(毎日コミュニケーションズ刊 1,800円)。わたしはかつて、この連載が読みたいばかりに隔週刊の「MacFan」を買っていたし、財政的な事情からこの雑誌の購読をやめた後も、これと『電脳奥様』と『マックな人』は書店で欠かさず読んでいたのだった(^_^;)。
 ラショウさんの制作したゲームと初めて遭遇したのは、確か『難しい本を読むと眠くなる』という作品のデモ版だった筈だ。この人を喰ったタイトルと、ゲームだか何だか訳の分からないソフトと、しみじみ流れる得体のしれない音楽とが創り出す、怪しい、いや別に怪しくはないのだが、一種異様な静けさが、後々ジワジワと効いてくるのだった。いまや書籍まで出版されて慶賀の至りだが、印税をたくさん稼いで、またコマーシャルベースに乗らないような訳の分からないモノを発表して、せっかくの蓄えを使い果たして欲しいものである、なんちゃって。イタチョコ・システム、ますますご活躍されんことを。

1999.03.16
 クラシック以外のCD売場巡回を省略していると危険な(^_^;)ことが分かった(1999.03.08ご参照)ため、こんどはジャズ売場を眺めて歩くと、こちらにもあったあった、掘り出し物が。ミシェル・ペトルチアーニのBLUE NOTE録音を7枚セットにした箱モノ。新宿Disk Unionで7千円を切る正札で陳列。編集者はドレフュス・レーベルのものを1-2枚持ってはいるのだが、このBLUE NOTE盤は殆ど未入手だったので、一部の重複をものともせず即購入。これはお買い得と思う。
 ただ、日頃安価であることにおいて信頼している某店では1万円くらいの値付けだったので驚く。あわよくばポイントアップも、と狙って出かけたのだが、すごすごとDisk Unionに引き返すことに。申し訳ない(_ _)>>Disk Union様。
 クラシック系でもなかなか良さげなものを連続入手。ドホナーニのマーラー9番が良いではないか、と思って聴いていたら、クレンペラーのARTリマスター盤に遭遇。これは凄い。クレンペラー、これまで相性いまいちの印象であったが、認識を新たにする。併録のジークフリート牧歌も素晴らしい。あ、あとカラヤン=BPOのDG版シベリウス後期(4-7)も例によってなかなかgood。でも5番冒頭のホルンはやっぱりカラヤン=POによるEMI版のほうが10倍素敵。別の音楽に聴こえるぞ。

1999.03.14
 NHKの衛星放送で『スティング』を観た。中学のときに初めて、渋谷の東急名画座で観てから、もう何十回観ただろうか。筋書きは完全にアタマのなかに入ってしまっているのだが、何度観ても楽しめる。脚本のでき具合が素晴らしいのだが、あらためてじっくり観ても、美術も音楽もまったく問題ない。エンドクレジットを眺めていたら、衣装はイーディス・ヘッド女史だということに気付いた。とてもお洒落で、格好いい。デ・パルマの『アンタッチャブル』でのアルマーニも良かったが、この映画でも脇役までひと通り、見事な衣装。これからまた、何十回観るだろうか。

1999.03.10
 なんか、通勤電車のなかでやたらに汗をかいてしまうのは、体調が悪いせいかと思っていたら、単に暖かいだけだった、とか(^_^;)。
 で、関東地方はここ数日ほんとうに暖かかったのだが、一転してこの火曜日は冷たい雨が降りしきる真冬に逆戻り。身体が弱っている(^_^;)編集者は、てきめんに風邪を引き直してしまうのだった。あぁ、身体がだるい。
 どのサイトでも取り上げている『だんご三兄弟』、ええ、我が家でも買いました。4歳の娘が喜ぶものですから。で、これってシングルと同時に「おかあさんといっしょ」ナンバーを40曲集めたベスト盤も出てるんですよね。娘がシングルを100回リピートして聴かれては、騒がしくてかなわないので、とベスト盤を買ったが、娘はプレーヤの機能をあれこれチェックして、『だんご三兄弟』ばかりを繰り返し聴いている。なかなか侮れないやつ(^_^;)。ちなみに中旬にはビデオも発売とか。ヴィジュアルが結構可笑しいので、ちょっと欲しい気もする。さすが佐藤雅彦。

1999.03.08
 ナゾの微熱がかれこれ2ヶ月も続くとさすがにお医者も心配になって、あれこれレントゲンやら血液検査やらと騒がしいのだが、いちばん心配しているのは本人で「検査の結果では異常はありませんねぇ」などと云われると、かえって気になって仕方がないのであった。まぁここ数日はようやく熱も引き始めて助かっているが、入れ替わるように花粉症の猛威が。つくづくひ弱な編集者ではある。
 というわけで更新もヒヨリがちであったのだが、ある日新宿VMSに立ち寄ると「アンディ・パートリッジ来店!」とかいうポスターが。
 ...何しに来るんだ?
 で、ふと虫が知らせて久々にロックのコーナーを覗くと、え、え、え、XTCの新譜がそこに。しまった、ここんとこミュージックマガジンの立ち読み(^_^;)をさぼっていたし、財政上の事情から「CDジャーナル」の購読を見合わせていたのだが、裏目に出た。アルバムタイトルは "Apple Venus Vol.1"。閉店後で後片づけを始めたカウンタのお姉さまに無理矢理押しつけ、即購入。地下鉄のベンチでビニールを引き破り、さっそく聴く。
 くーーーー。
 めちゃくちゃヨイのである、これが。すいませんわたしはヒヨっておりました。これからはもう少しマジメに取り組もうなどと殊勝なことをつい考えてしまうわたし。それにジャケ絵が信じられないくらい美しい。ぜひ店頭で確かめて戴きたい。
 それにしてもXTCの新譜って何年ぶりだろ。


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