1999.07.27
 26日付日経夕刊のさる記事を読んで驚愕。夏ばて防止に関するコラムなのだが、そもそも動物って、暑いときは寒いときに比較して基礎代謝量(平たく言えば、最低限必要な食事の量)が少なくても良いのだそうで。編集者はてっきり、暑くて食欲が減退するから、無理してでもたくさん食べないと夏ばてする、のだとばかり思っていた(^_^;)。この勘違いはかなりイタイ。食べたくもないのに無理して食べて、それが夏ばてを防ぐどころか太り過ぎへの道だったとわ。
 記事によれば、ビタミン、ミネラルが発汗により失われたり、またそもそも食物中の、これらの含有量が夏場に減衰することが夏ばての原因なのだとか。ポカリスエットなどの類は理にかなっている、ということなのかな。

1999.07.22
 ClaBroken Radioで、本欄に関するコメントを頂戴した。お題は一昨日の『皇帝』。リンクまで張って戴き大感謝。
 もともと、Claで4月頃にこの音盤に言及されたのを読んでいて、気になってはいた。で、今回機会を得て聴くことができたのだけど、編集者なりに感想を書いてみると、だいたいこんな感じ。
 ....まず、冒頭のカデンツァでの絢爛たるピアニズムに眼も眩む。もとよりジミな『皇帝』など願い下げなんだけど、ここでの演奏はうわべだけの華麗さに留まらない、充実した響きで素晴らしい。オケもじゅうぶん身の詰まった果実を思わせる、味わい豊かな音楽を聴かせる。大きな流れを形づくるいっぽうで、ディーテイルに絶妙のニュアンスを与えるのは指揮者の功績か。80代後半の指揮者がここまで素晴らしい、弛緩のない制御を実現できるのも驚異の一語。そしてもちろん、両者のアンサンブルも活き活きとしていて見事....
 ただ、あえて言えば、国内盤の解説にはがっかり。ふだんは輸入盤ばかり聴いているので、ライナーノーツもあまり読まない(失笑)のだが、こんな機会に眺めてみると、この文章のために余分にお金を払って国内盤を買う気には、やっぱりなれないのだった。
 それにしても、うーむ、村上四方って聞いた名前だとは思っていたが、そういうことだったか(超謎)。

1999.07.20
 DECCA REGENDシリーズで、ショルティのマーラー『千人の交響曲』を聴いた。
 このシリーズは国内盤先行発売で、ショップで視聴してなかなかの音の良さに驚いていたのだが、価格面で財布と折り合いがつかず、購入を見合わせていたもの。やっぱり、ちゃんと輸入盤が出たぢゃないかぁ。しかも某Towerでは1,300円を切る価格。取りあえず上記の音盤から入手してみた。
 音質は素晴らしい....が、何だこりゃ(^_^;)。合唱からソロに移るとき、いきなりカメラがぐーっと寄ったかのような錯覚に陥る。イメージとしては季節柄、夏の大甲子園球場、数万人のスタンドから中継席に切り替わるカメラワーク「それでは放送席にマイクをお返しします」といったところか。マルチマイクの極限をいく、いわゆる「優秀録音」なんだろうな、これ。
 それにしてもDGのオリジナルズ、EMIのARTリマスター、ときてDECCAまでもが復刻に気合いを入れるところをみると、よほどローコストで儲かる路線なのかな、この手の商売って。と言いながら上記音盤と一緒に、ARTの『ナクソスのアリアドネ』(カラヤン指揮)を購入しているワタシ。

 あ、そういえば、数日前に聴いた内田光子さんの『皇帝』はホントに素晴らしかった。伴奏ともども、さいきん話題になったA.B.氏の録音の数倍楽しめました。

1999.07.15
 ここ数日の東京地方は風呂桶の底のような蒸し暑さで、汗っかきの編集者としては気が狂いそうな日々。出先から会社に戻ろうとして最寄り駅で降りてみたら、突如の土砂降りに遭遇し、やむなく飛び込んだ駅ビルのテナント(GAP)でバーゲンをやっていて、子供の服などをついつい買ってしまう、といった異常行動まで誘発して弱ったもの(^_^;)。ちなみにいつも、自分用の普段着が無いなぁ、と愚痴をこぼす割に、こういうときなかなか自分のものを選ぶコンジョに欠けるのは何故だろう。
 で、帰宅してみると、生まれて初めて当たったレコ芸の懸賞CDが届いていて、一時身の不幸を忘れる。内田光子さんの『皇帝』、楽しみに聴くぞ(^o^)。わくわく。

1999.07.13
 アンドレ・プレヴィンがTELARCに録音したスタンダード・ジャズ集がなかなか宜しい。ジョー・パス、レイ・ブラウンとのトリオで『煙が眼にしみる』なんかをサラリと弾いているのを聴くと、あぁ、このひとはほんとうに音楽の申し子だなぁ、などと思う。だいたい、クラシック系の演奏家がジャズに挑んでロクなことになったためしが無いのであるが、プレヴィンの場合みごとに両立している。ジャズのほうでもVERVEレーベルというのがあって、ここからディスクをリリースするのは数多のジャズプレイヤーの夢だと思うのだが、プレヴィンは『トリオ・アット・ザ・ムジークフェライン』などという、ヴィーンでの録音をVERVEから出している。山下洋輔がプレヴィンを評して「真性のバンドマンがどんなコネをつけて指揮者の仕事なんかやってるんだ、とジャズ仲間でも評判だ」と言ったとか言わないとかいう話をオーボエの茂木さんが何処かで書いていたが、さもありなん(^_^;)。

1999.07.09
 CBS音源のMasterworks Heritageシリーズ新譜で出た、プロコフィエフ5番&バルトークのオケ・コンのカップリングにハマっている。演奏は言わずと知れたセル=クリーヴランド管。ここのところプロ5(って略していいのかな)が無性に聴きたくて、手持ちの録音を漁ったりしてみたが、もう一つどれもこれも生ぬるい。この曲、とくに終楽章はさながら機械のような正確さで疾走して欲しい。セル時代のクリーヴランド管は完璧なアンサンブルで一分の隙もなくキメてくれるから、ついついもう一度聴き直してしまう。
 オケ・コンも懐かしい。編集者はかつてヤナーチェクの『シンフォニエッタ』とのカップリングで出たLPをしばしば聴いた。考えてみれば、セルの録音(LP)が一枚1,000円でたくさん再発売されたおかげで、オーマンディ等とともに随分聴いたものだ。ヴァーグナーの『指輪』管弦楽曲抜粋など、素晴らしい構成と演奏で何度も聴いた。あれ、Heritageで再発しないかな。
 ところで、この同じシリーズにはフィラデルフィア管・クリーヴランド管・シカゴ響の金管奏者による、あのガブリエリ曲集もあるのだという。すでにSONY CLASSICALの別の再発売盤で持っている気もするのだが、ショップでみかけたら絶対買ってしまうだろうなぁ(^_^;)。

1999.07.04
 編集者は職場でも自宅でもMacintoshを使い続けてはや??年なのだが、会社でついに、いっさいのMac機をネットワークに接続してはまかりならぬというお達しが出たのを受けて、PCエミュレータの導入に着手した(^_^;)。Connectix社の製品で、PC DOS 7.0をエミュレートするというVirtual PCなる製品を買ってきて、悪戦苦闘している最中なのだが、いやー、Windows95をインストールしてネットワークに接続するまでに丸々一日もかかってしまった。
 とにかく、ちょっとしたトラブルに遭遇する際に、Macならば働く土地勘がさっぱり利かないのが痛い。これまでも仕事の内容やクライアント様のご意向によってはThinkPadなんかも使っていて「Officeだけ使うならやっぱWindowsの方がいいかなー」などと思っていたが、今後しばらくこのOSにつき合うとなると、やれやれ、慣れるまで先は長そう。

1999.07.02
 7月1日夕、六本木俳優座で鴻上ネットワーク『ものがたり降る夜』を観る。芝居もずいぶん久しぶり。鴻上さんの芝居はもはやぜんぜんチケットが取れないと思い込み、はなから意識していなかったのだが「まだチケットがあるぞ」とのメールが届いたのできゅうに思い立って出かけたもの。
 第三舞台公演ではなく、ワークショップ等を通じて発掘した若手を中心に構成したメンバーに、書き下ろし台本。で、じつに10数年ぶりじゃないかと思うのだが、鴻上さん自ら役者として登場。考えてみると第三舞台を初めて観てから、かれこれ15年くらいたっているものなぁ。役者全員入れ替わっていてもちっとも不思議ぢゃないのだが、大高、小須田、長野といったレギュラーの面々が出てこないのもちょっと違和感。
 書き下ろしの台本は、うーむ、ちょっと感心しないのだった。「ものがたり」というテーマもいささか旧い気が。で、もう一ひねり欲しいところ。例えば「ものがたりを求める自分自身に気がつき、そこから飛翔する」というのも、やっぱりものがたりなんだ、とか。
 チケがじつに5,500円。プログラムが1,000円。かなり台所は苦しい様子なのだが、やっぱり一寸高価いと思うぞ。鴻上さんがやたらに「若手を育てる」だのと書くのも気になる。何だかんだと悪口を書いても、やっぱり走り続けてること自体が凄いのだから、ますます意欲的に頑張って欲しいもの。で、第三舞台もまだまだ観たいぞ。


All Rights Reserved. Copyright(c) ONO,Akira 1999