1999.10.30
 仕事で調べものをしているとき、ふと気になった。調べていたのはいわゆる「ネット・バンキング」ないしは「エレクトロニック・バンキング」、平たくいえばインターネットやら何やらを使って銀行振込や残高照会なんかできたりするサービスのこと。
 で、気になったのは「エレクトロニック・バンキング」なのか「エレクトリック・バンキング」なのか、はてさてどちらが正しいのか、ということ。少し冷静になって考えてみれば「エレクトロニック」が正解らしいという気になるのだが、念のため某検索エンジンで両方引いてみた。してみると、結構「エレクトリック」を使ったサイトも出てくるのだな、これが。某都銀のページでも堂々と「エレクトリック・バンキング」と表記されていることが判明。うーむ、びっくり。
 さらに悪のりして、米国の検索エンジンを使って英語サイトも比較してみる。すると、両者の差は1,000倍くらいで "electronic" が圧勝なのだが、こちらでもやはり "electric" はあるのだった(^_^;)。そこでもう一歩突っ込んでみた。いわゆる "EC" は「電子商取引」ってくらいだから、やっぱり "electronic commerce" だと思っていたが、英語圏サイトにも "electric commerce" は厳として存在するのだった。まぁ1,000サイト対440,000サイトで、こちらも "electronic" の完勝ではあったが。

1999.10.28
 あちこちで評判のブーレーズ指揮ブルックナー8番交響曲、新宿Vの試聴コーナーでちょっとだけ立ち聴き。試聴ポイントは4楽章冒頭。ライヴ未修整かと思うのだが、指揮者のテンポ感にオケが乗り遅れていないか、これ。ティンパニの打ち込みなど別の世界にいるみたい。もともとブルックナーに対して愛情の乏しい編集者だし、もう少しまとまった聴き方をしないといけないのだろうが、あのザルツブルクでのバルトークやらドビュッシィの名演と比べると、オケがいまいちノッてないような。
 DGが何とかスターに仕立てようとしているマエストロだから、国内先行発売(しかも輸入盤は来年夏までお預け)なんていうことをやっているのだろうが、当方財布の都合もあるので輸入盤の入荷をゆっくり待とうかと。
 国内先行といえば、BCJの『マタイ受難曲』。キングの国内仕様で先行発売されたが、輸入盤(BIS)はいつ出るのだろう?? いつもながら、これだけ価格差があると「何だかなぁ」とつい思ってしまう。

1999.10.22
 新宿Tの試聴コーナーで少し聴いたポリーニのドビュッシィ『前奏曲集第一巻』がいまいちと感じていったんは買わずに帰ったのだが、私淑しているkyoさんのサイトで誉められていたので、思い直して入手。二回通して聴いてみたが、うーむ、これはこれでなかなか宜しいのでは、と考えを改める。
 何よりイエローレーベル、ドビュッシィ、イタリア人ピアニストとくれば、やはりベネデッテイ=ミケランジェリ(ポリーニのお師匠でしたよね)。1976年だったか77年だったかに出た、やはり第一巻の録音は編集者にとってはもはや神棚に座布団30枚積んでもまだ不足、という一枚である。この、あまりにも強烈な刷り込みが他の演奏の存在を許さないのであるが(^_^;)、冷静になってポリーニ盤を聴いてみれば、やはりそこはそれ、こないだ聴いたインバルのマーラーのような、パラノイアックな世界が現出している。それにしてもポリーニって、演奏中にこんなに唸るひとだったか。グールドも顔負けの騒がしさだ。それから、弱音でみせるコントロールが強音ではもう一つと感じた。

 店頭に長いこと置いてあるバレンボイムの、エリントンへのトリビュート・アルバム、いつも買おうか買うまいか迷った挙げ句に止めてしまうのは何故だろう(^_^;)。やはり視聴コーナーで聴いた『A列車』は、思いの外金管が格好良かったが、ラッパのソロが有名なアルバム『ザ・ポピュラー』でのアドリブのパクリに聴こえて興ざめ。ちなみにこのアルバムはエリントン晩年の一枚だが、『A列車』冒頭、ワルツのテンポに乗せて御大が珍しく、長々とソロを取るのが印象的。プレヴィンも賛辞を惜しまないエリントン・マジックの入門にも適当。バレンボイムは....タンゴ・アルバムはなかなか良かったけれどねぇ....

1999.10.20
 帰宅途中の電車で、NAXOSから出たオッフェンバック=ロザンタール編『パリの喜び』(編曲者の指揮による。なんと92歳!?)をのんびり聴きながらレコ芸の最新号を読んでいたら、NAXOS特集(というか、ほんとは廉価盤特集)だった。NAXOSを肴にした鼎談で谷戸基岩さんが「NAXOSの古楽はあまり知られていないのではないか」と仰っていたが、編集者としてはサマリー=オックスフォード・カメラータやニケ=コンセール・スピリチュエル、またラモの管弦楽曲集、ヴァイス、ガブリエリなど愛聴してきたものも多数あり、けっこう紹介されているのでは、という気もする。いずれにしても、価格面からもメリット大のNAXOS、もっと聴かれて良いのではなかろうか、という点で大いに共感。
 自分でも忘れかけていた(^_^;)お知らせのコーナーを1年ぶりに更新。今年もちゃんと、北欧アンサンブル公演は実施されるとのことで、まことに慶賀の至り。なんとか出かけたいものなのだが....

1999.10.15
 忙しくて寝る時間も激減している状況のときに限って、緊張のせいか眠れなくなったりする。で、明け方の4時頃目覚めてしまって、再び寝付けないものだから仕方なくWebなどを覗くと、いきなり某金融機関再編のニュースが掲載されていて驚く(ちなみに我が家のブラウザ、ホームページは日経になっている)。ここんとこ某サイトで直下型地震があったり、インターネットもまだまだ侮れない(^_^;)。5時過ぎに東越谷方面に配達された、リアル日経(なんて言葉はないか、やっぱり)の一面はぜんぜん違う記事だったぞ。7時の「おはよう日本」ではさすがにトップニュースだったが。

1999.10.13
 この2日ほど、インバル指揮フランクフルト放送響によるマーラー全集を片端から聴いている。1,4,2,3番とつまみ聴きしたところでは、4番が凄い。ここまでやるか!というほど意匠を凝らしまくった出来上がりで、オケもさぞや疲れ果てたことと思う。譜面をみればいちいち納得、という世界なのかも知れないが、こちらもそうとう緊張を強いられ「天国的な美しさ」を感じるにはやや遠いものがあった。
 立風書房から吹奏楽名曲紹介本が出た、とのウワサを耳にして紀伊国屋に出向くも、お目当てと思しき本は見つからず、かわりに『安原顕の乱聴日記』(音楽之友社)を入手。終電の車内でマーラーの3番を聴きながら読みふける。このひと、ルセのクープラン全集なんかもフォローしているし、昨年初夏のサロネン来日によるリゲティ・シリーズにも3日間足を運んでいる。ついでにアルディッティQの演奏会にもしっかり出かけるあたり、さすがはスーパーエディターと平伏。ただ演奏に対するコメントは、やや情報量不足かも。

1999.10.12
 こう、急に涼しくなると身体が環境についていかず、例によって風邪モードに(^_^;)。37〜37.5度の微熱が数日続いているが、急を要する仕事のためになかなか会社を休む訳にもいかず、といって無理をしてひっくり返る訳にもいかず、で綱渡りの日々。11日は休日出勤、でホントはBCJの定演もあった筈だがこちらは大事を取ってパスすることに。こういうときチケを迅速に捌くことができるビジネス、誰か実現しないかな。誰もやらないなら自分がやっても良いぞ、と妄想は膨らむばかりなのだが。
 深夜のニュースで、ヴァイオリニストの庄司紗矢香嬢(16歳)がパガニーニ国際コンクール優勝、を伝えていた。同コンクールで日本人優勝は初、とのことで慶賀。
 ずいぶん昔から気にはしていた大藪春彦の著作に初挑戦。お題は『蘇える金狼』。タクシーに百円玉1〜2枚で乗れたり、渋谷の豪華マンションが「一千万円は下らない」などと表現されるあたり、時代を感じさせるものの、主人公が生肉を貪ったり鯨缶をヴィスキーで流し込んだりするくだりなど、山下洋輔作品でしばしばパロディのネタとされる大藪テイストが炸裂。取りあえず100ページほど読んだが、先が楽しみ。

1999.10.05
 帰宅途中に21時までやっている本屋があって、久々に寄れたので覗いてみると、新書版で興味を惹くものがいくつか出ていたので購入。書籍代もばかにならないので、さいきんでは買う前にまず図書館へ、などと考える小心者の編集者なのだが、新書や文庫だとつい勢いで買ってしまう(その前にCD入手を何とかしたほうが、財政の抜本的解決につながる気もする)。
 ともあれ、入手したのは岩波新書から二冊、『ブランド』(石井淳蔵)と『ポピュラー音楽の世紀』(中村とうよう)。そして中公新書から『デファクト・スタンダードの経営戦略』(山田英夫)。あっ、いま気がついたが中公新書の版元はやっぱり中央公論「新社」だったのか。装丁もいっしょでぜんぜん分からなかったぞ。
 いつものことながら脈絡が無い選書だが、経営戦略関係のほうは殆どイッキ斜め読み。で、御大中村とうようの新刊をのんびりと読んでみている。

1999.10.02
 お馴染み音盤ショップのクラシック売場以外を久しぶりに歩いてみて、スティングの新譜を入手。たまにRockコーナーもフォローしておかないと、こういう重要な音盤を見逃すから油断ならない。さらに振り返りざま、エルヴィス・コステロの二枚組ベスト盤も確保。コステロの録音って、考えてみればARGOのジョン・ハール『恐怖と壮麗』くらいしか持っていないのだった。帰宅途中の電車でこっちの盤から楽しむ。
 セルヴィデオのコーナーにも寄ってみれば、おお、モンティ・パイソン結成30周年記念で全14巻を順次再発という、これまた重要な情報を入手。うーむ、全巻買っちゃうかも知れん。で、どなたか教えて欲しいのだが、これってDVDとかは出ないのかな。できればそっちのほうがいいなぁ。ちなみにヴィデオはベスト版も1本出るそうで、モンティ・パイソンに馴染みのない方も必携。いつぞや当欄で紹介した『明るい農村』もしっかり収録されているらしい。

 ホンダの新車の駅貼りポスターをみたが、写っているのはもしや、アンソニー・"ハニバル・レクター"・ホプキンス?? エゴイストでもいいが、ひとを喰っちゃいかんぞ、とか。そういや『アイズ・ワイド・シャット』も未だ観てないしなぁ、とどんどん飛躍。あぁ、映画館で映画を見たい(^_^;)(^_^;)。


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