1999.12.31
 大晦日なのだが、ぜんぜんそんな気がしない。もともと30日まで営業させて戴いている職場であることに加え、さる事情(^_^;)により、きょうもこれから出勤、3が日も出勤という有様。じぶんで何ごとかができるとも思えないので、単なる電話番のような気もするのだが。

 年末のCDは『マイ・タイガ』(タルバガン)と『バンドネオンの豹』(あがた森魚)と『おやつ』(渡辺香津美)をとっかえひっかえ。とくに香津美さんのアルバムは、名作との誉れ高いものながら、これまで数年ヒヨって聴いていなかったのを大後悔。いやー、カッコいいっ。山下洋輔とのデュオで『クレオパトラの夢』なんて、凄いぞー。スポンジと化していた脳髄がときほぐされていくような気がする。いっぽうあがたさんの一枚を聴くと、J-POP黎明期のあの人この人を懐かしく思い出す。編集者的には細野晴臣さんとか、加藤和彦さんとかを聴き直したくなった。
 で、そういえばここ数日、クラシックはぜんぜん出てこない(^_^;)。最後に聴いたのはヘレヴェヘの『マタイ』だったかなぁ。

 ともあれ、1999年も当通信をご愛読戴き、みなさまにはほんとうに感謝申し上げる次第。2000年も引き続き、ご愛顧の程宜しくお願い申し上げます(_ _)。

1999.12.29
 立風書房『200CD吹奏楽名曲・名演』をようやく読む。いやー、これは懐かしい曲ばかり。我が畏友山尾さんの記事も楽しませて戴いたが、ここはやはり磯田健一郎プロデューサーの健闘を称えたい。選曲もたいへん宜しい。ハンソンに『ディエス・ナタリス』を、ジェイガーに『ダイヤモンド変奏曲』を割り当てて紹介しているのは慧眼。R.R.ベネットも、ジャンニーニも、クリフトン・ウィリアムスもしっかり掲載されている。このへん、マーキュリー・レーベルで育った昭和30年代生まれあたりの吹奏楽関係者は忘れられない作品群に違いない。久々に吹奏楽の録音を聴きたくなったが、新宿タワーレコードの在庫は結構充実している。

 TVで『ウェスト・サイド物語』を演るというので見始めたが、冒頭からソウル・バスの美しいデザインもロバート・ワイズのマンハッタン大俯瞰撮影もいっさいがっさいカットされていて呆れる。頼むよー。

1999.12.23
 ここ数日マイブーム的に聴き込んでいるのが、タルバガンというバンドの新譜『マイ・タイガ』。等々力政彦さんと嵯峨治彦さんの二人組ユニットで、馬頭琴やら口琴やらといった珍しい楽器を奏でながら、喉歌をうたう。喉歌というのをよく分かっていないのだが、一聴したところでは、ひと頃ずいぶん話題になったホーミーによく似ている。このCDを制作された田原洋朗さんに伺ったところでは、ホーミーがモンゴルの喉歌、という理解で良いのだそうだ。体内の骨を共鳴させて出す響きが何とも不思議。
 曲目はトゥヴァ語で歌われる「TAIGAM」の他、モンゴルのうた、内モンゴルのうた、そして木曽甚句などまで。五音音階をベースに、渋いこぶしを利かせた唄い回しは日本民謡に通じる何かを感じさせ、また口琴を用いたフレーズが中国の音楽を思わせる。何でもないようだが、どこかしみじみと聴き入ってしまう。というわけで、通勤電車のなかで繰り返し聴いているのである。
 タルバガンは何と!あがた森魚さんの新譜『日本少年2000系』にも登場しているのだそうだ。もともと自分もこのアルバムを手に入れるため、新宿タワーレコードへすっ飛んでいったのだが、この珍しいユニットの新譜を幸運にも発見できたので、ひとまず先に手に入れた次第。宜しければお試しあれ。

1999.12.18
 エリントン・イヤー関連で、これは!というアルバムがDGから出た。プレヴィンのピアノとデイヴィド・フィンクというひとのベースによるデュオ・アルバムがそれ。何しろプレヴィンのスゥインギーなアドリブワークに舌を巻く。このひと、幾つになったんだっけ。某TELDEC系トリビュートアルバムの64倍くらいは良いのではなかろうか。ここ数日の愛聴盤。

 レコード芸術・新年号を手に入れた。うーむ、海外盤試聴記の大幅拡充といい、月評へのNAXOS等積極的取り上げといい、なかなか意欲的。ここ数年、少しずつ改革が進むかにみえるレコ芸、2000年を迎えて相当気合いが入っているとみた。旧世代からの抵抗もさぞやと思われるが、まずは快挙に拍手を贈るとともに、今後の更なる前向きな取り組みに期待したい。

1999.12.14
 親しくおつき合い戴いている高橋さんのお誘いで、スポーツクラブへ出かけてスカッシュなどしてみる。「うわっ、似合わないぞ」と関係者は声をあげることであろうが、ま、宜しいではないか。これでも10年ほど前は、磯子のラケットボールクラブに毎週通っていたこともあるのだぞ(^_^;)。
 それにしても、おろしたてのシューズがプレイ中にだんだん壊れていくのには参った。踏み込んだ瞬間に靴底のラバーがべろんとめくれてしまって、はっと気が付くとコート中に消しゴムのカスのようなモノが散らばっている。驚きつつも、時間が勿体ないとばかり続けていると、こんどは反対側の靴底も大破。程なくスタッフ数名がコートに飛び込んできて「どうしました?」(^_^;)。申し訳無いが掃除をして貰った。

 終了後は高橋さんのお宅にお邪魔して鴨鍋をご馳走になる。いろいろなCDを聴かせて戴いたが、得体の知れない曲もずいぶん聴いた。曰く『カラス騒ぐ』『交響曲6番・自由』等々。なかでカラヤン指揮1944年録音のブルックナー第8交響曲というのは、なかなかインパクトがあった。至急入手予定。

1999.12.11
 名古屋の次は茨城、というわけで、土浦への日帰り出張から帰還。なんか、12月だけに走り回ってるなぁ。別に「師」でも何でもないんだけどさ。来週は水戸へも行くぞ。
 それはともかく、うーん、待ち焦がれたサイトのリンクをようやくここから張らせて戴く。レコ芸、音友、CDジャーナル他でお馴染み、畏友山尾敦史さんの「ヤマオ@デラックス」がようやくオープンした。既に公開されている「うたかた日記」の他、予告されている目次を見渡しただけでも期待度120%。ご専門の英国&北欧音楽に関する貴重な情報満載の予感も。ぜひご紹介申し上げたい。

1999.12.10
 出張で名古屋へ一泊してきた。当地を訪れたのは何年ぶりか。しかも宿泊したのは今回が初めて。もっとも、名古屋駅に着いたのが午後11時前、で翌日は一日中某所にこもってお仕事だったので、きしめんも名古屋コーチンも食べずじまいだったが。あ、帰りの新幹線でびっくりみそカツとかいうものをいただいたな。家に持ち帰った赤福というお菓子は割合好評だった。
 のぞみに乗ったのが、これまた多分初めて。はやく帰れそうだし、試してみようかと。で、ワクワクしながらホームで待っていると(^_^;)、現れたのは異様に鼻先の長い巨大アリクイのような車体が。何だありゃ。下りで乗ったひかりのほうが座席幅は広かったように思う。編集者はタテヨコ大きい関係上、こうゆう場面ではまさに「肩身の狭い」思いをするのだった。まぁ、確かに乗車時間は短かったけど、1,300円も追加で払って窮屈な思いをするのは、ちと切ない(^_^;)(^_^;)。

 慶賀 >> CLASSICAミリオンアクセス(^o^)。

1999.12.08
 マーラーの5番、シノポリ盤は行方不明になっていたので(^_^;)、CD屋さんでアッバードのシカゴ響との録音を入手。バジェット国内盤で1,300円也。で、これはなかなか良い買い物だった。なにしろシカゴ響が上手い。冒頭のトランペットはハーセスだろうか。ソロ良しアンサンブル良しである上、70年代後半のアッバードの音楽づくりの美点がよく出ている。余分な化粧は無いが妙に素っ気なくもない、精悍で筋肉質な演奏がこの頃の彼の持ち味。思えばシカゴ響との『復活』は高校生の頃よく聴いたっけ。

1999.12.07
 家へ帰る途中、ぐうぜん流れ星をみた。こういうとき、ついしばらく立ち止まって同じ方角を見続けてしまうのだが、なかなか二つ目はみえないものだ。なにか深い意味が隠されているような書きぶりだが、ぜんぜん意味はない。

 クリーブランド管とドホナーニの録音(マーラーとブルックナー)がまとまってバジェットプライスに落ちたので入手。で、久しぶりにマーラーの5番を聴いたが、編集者はこの曲、けっこう好きなのである。いかにもマーラーらしい陰気、暗鬱、泥沼、混沌、諦観等々よりも、どちらかと言えばよく整理され吟味された書法が際だっていて、とくに終楽章は鮮やかな仕上げ。いきいきとわき立つような、それでいて均整のとれた名演に出会ったときの歓びは何者にも代え難い。残念ながらドホナーニの演奏は「均整」中心であったが.... 久しぶりにシノポリ盤でも聴くか。ああっ石投げないでっ。

1999.12.05
 プロミュージシャンの後輩から久しぶりに電話あり。いきなり
 「あのー、唄ってもいいですか?」
 「あ゛ー??」
 「いや、あの、どうしても曲名思い出せないのがあって」
 「....んー、ま、唄ってみて」
というわけで、電話口でこ奴のハミングを聴く。
 「あー、そりゃブラームスでしょ。3番の3楽章だよ」
 「シンフォニィですか」
 「そう」
 「そうかぁ、いや、スラヴ舞曲だって聞いて、CD買ったけど入ってなかったんですよ」
 「誰に聞いたの」
 「ええ、さるプロオケの方に」
 「....」

 「(気をとり直し)で、最近はどんなことしてるの」
 「ええ、じつは演歌のバックバンドで、全国周ってるんです」
 「へえ、たいへんそうだね。誰の??」
 「サブちゃんなんです」
 「....」

 こうゆう後輩からの電話は歓迎。おかげでこの日記のネタを仕入れることができた。また何か面白い話があったら教えてねっ、鎌原君。

1999.12.04
 日々の通勤時にCDを聴くためのヘッドフォンとして、SONY製のノイズ・キャンセリング機能付きイヤホンを愛用している話を数日前に書いた。だがじつはここ数日、新しいイヤホンを試してみている。米国Etymotic Research社製のER-4Sというのがそれだ。同じく米国のヘッドフォン関連商品製造・販売のHeadRoom社のWebサイトに注文して手に入れた。
 もともと、たまたま見つけた某サイトで、このイヤホンへの高い評価を読んだのがきっかけ(某サイトは適当な検索エンジンで「ER-4S」で調べればきっと出てくる(^o^))。SONYのイヤホンはそれなりに満足して使っていたのだが、ケーブルの途中にマイクとノイズリダクション回路を動かす為の乾電池ボックスがついていて、これの取り回しが邪魔臭くて、気になっていたのだ。ER-4Sは単なるイヤホンだから、このテのボックスやコントローラなど、邪魔なものはいっさい付いていない。
 使ってみて、これはなかなか素晴らしいと感じ入っている。まず、音質の向上に驚愕。もともとゼンハイザー社のHD600並の音質、というレビューもあったのだが、少なくともそのへんの1万円前後の国産品とは一線を画すように思える。次に、イヤホン構造の遮音性に驚愕。ノイズキャンセルなどしなくても、地下鉄のなかでも十分聴ける。
 価格が330ドルというのはまぁ、安くはない。が、交換用イヤーパッド等もついて来ており、長く使えそうな気もする。大きな弱点としてケーブル皮膜素材の問題がある。洋服などに触れてガサつくと、けっこう大きなノイズとして耳に飛び込んで来るのだ。姉妹品のER-4Pで改善した、との記述もEtymotic Research社のサイトに記載されているので、そちらを選ぶのも良いかも知れない。なおHeadRoom社サイトでは、クリスマス・シーズンを迎え、いま269ドルで売っている。編集者の場合、水曜朝にオーダーして、DHLで翌月曜には届いた。

 12月2日には、kyoさん党党員集会(略称・新宿オルグ)というものが開かれたので急ぎ出席。党総書記のお出ましとあっては出席せざるべからず。ロシア料理店で開催されるというのも、なかなかそれらしい(^_^;)。お噂はかねがね、のピアニストC嬢にもお目にかかれて大満足。


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