小澤征爾氏がヴィーン国立歌劇場のシェフに就任する、というニュースが伝えられている。ニューヨークタイムスのWebサイトでは「予期せぬ展開」等と報じられているが、全く同感。編集者にとっての小澤さんは「オペラ指揮者」とはやや遠い場所に位置している。ヘネシーをスポンサーにしてヴェルディやプッチーニに少しずつ手を染めたり、サイトウキネンでフランスものや、その他の珍しいレパートリーを開拓したり、と意欲的ではあるにせよ、モーツァルトやヴァーグナー、さらにイタリア・オペラの主要なレパートリーを手中に収めているとは思い難い。そして、それらができずにシュターツオパーのシェフが務まるのだろうか。
もちろん、シェフだから何でもできなければいけない、というわけではないのだろうが、そもそもヴィーンで彼が振ったオペラって、チャイコフスキーの一部の他にどんなものがあるのかな。R.シュトラウスの録音も少しあったかも知れないが。
編集者は20年前から、小澤さんをアイドルと思ってきた。一時の熱狂はやや醒めたものの、いまでも彼の演奏をあまり否定的にとらえるつもりも無い。しかし、オペラとはなぁ.... この先の「展開」に注目したい。
ちなみにボストン響の後任としては、バレンボイム、ラトルあたりが取り沙汰されている模様(*)。また小澤さんと同じく2002年に契約の切れるマズア(NYP)の後任にヴェルザー=メストの名も挙がっているそうな。
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(*)ニューヨークタイムスの記事をよく読み返してみると、この二人はアッバードが2002年にベルリンPOをリタイアする際の後任候補として挙げられていた。お詫びして訂正を。ちなみにボストン響の後任候補にはハイティンク、ラトルという説もある(未確認情報)。
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