1997.11.30
 昨夜、東京北区 北とぴあ国際音楽祭でラモーのオペラ『アナクレオン』を観た。これがなかなか素晴らしい演奏だった。前半のヘンデル(『アポロとダフネ』は滑り出しにやや不安を感じたものの、まずまず。そしてバレエ(ダンス?)を織りまぜてのアナクレオン、合唱の素晴らしさも相俟って出色。この音楽祭は毎年なかなか意欲的な企画で(聴いたのは今回が初めてだけど)、これからも楽しみ。ちなみに来年はヘレヴェヘがシャンゼリゼ管を連れてきて、ベートーヴェンの第9だそうで(^o^)。
 終演後、連れが「洗面所から出てきたら、指揮者のひとが居た!」というので様子を見に行くと、当夜の立役者、クリストフ・ルセのサイン会が。横でオワゾリールの録音を販売していて、これを購入してジャケ絵にサインして貰うのだと。編集者は20年近く前にフィリップ・ジョーンズのサインを貰って以来、演奏家にサインを貰うチャンスはなかったので、この際と思い、ルセの弾く『ゴルトベルク変奏曲』のCDを買って連れに押しつけ、サインを貰うように依頼。ルセさんは終演後も疲れをみせずファンサービスにつとめ、名前を聞いて「○○さんへ」などと書いてくれたという。ちなみにこの公演は本日も午後2時から王子・北とぴあにて。

1997.11.29
 何年か前、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲に挑もうと思って、フィッツウィリアム四重奏団のセットを買った。しかし、8番を除いて殆ど手を付けていない。その後のある夏、これではいかん、と思って全音版のスコアを全曲揃え、再度チャレンジしようとした。このときは確か、1番だけ聴いて挫折した。さいきんボロディン四重奏団のセットがずいぶん安く再発売されたので、ぢゃ聴き比べで頑張ろうか、という勢いで入手した。このセットは一枚も聴いていない。そして今月下旬、テルデックのブロドスキー四重奏団のセットが6枚組6千円で再発売になった。これを入手して、いつ聴くんだ、と呆然としている編集者であった。
 あまり忙しいと、買い物がストレス解消の手段になっちまうんだよなぁ(^_^;)。

1997.11.24
 ツェンダー・エディションと聞いて何故か思い出す、ギーレン・エディション(←作曲家兼指揮者しかもドイツ人だからという、編集者の短絡的思考構造がよく表れていてなかなか恥ずかしい(失笑))。
 じつは件のツェンダー・エディションを入手する前、新宿のいきつけCD屋さんでこのギーレン・エディションを何と一枚890円で売っていたので、思わず6枚ほど購入してしまっていたのだ(あと5枚くらい残しておいたのだが、翌日にはもう無くなっていた。うーむ)。
 で、ここんとこRVWのまとめ聴きの合間にこれらに手を出していたが、昨夜、休日出勤の帰り途で聴いたマーラーの7番がなかなか良い。ツェンダー盤のマーラーと同様、作意は少なく、ただひたすら楽譜を音にしている印象ながら、この曲の何だか訳がわからないブキミさをうまく出しているのだ。今度出たツェンダーの録音と聴き比べたいところ。
 ちなみに同じギーレン・エディションのチャイコフスキー『悲愴』はがっかり。インテンポの悲愴ってやっぱりツマラナイ。オケも雑然としていて共感が感じられない。3楽章のゆっくりめのテンポに、諸々の発見はあるのだが。

1997.11.22
 8-9か月ほど前、勤務先で仕事用にアキアのMacintosh互換機を購入したことを当編集日記に書いただろうか。PowerPC604eを搭載し、メモリをはじめから80MBも積んで、グラフィックカードも33.6モデムもついて498,000円というのは大層魅力的に思えたものだ。ちなみに発注している最中に価格が428,000円に値下がりして驚いた。あわててディストリビューターさんと交渉し、値段を新価格にして貰ったのを思い出す。
 この機械は編集者の上司(部長)の机上で、当然ながらいまでも元気に働いている。こまごまとしたトラブルはあったものの、概ね大過無くここまで来た。その間、アメリオ氏は首になり、返り咲きSJ氏はどうもわけわかんないことを云い続け、ついにMacintosh互換機は息絶えようとしている。
 アキアは上述の互換機の値段を228,000円まで下げ、どうやら在庫処分に入った模様だ。18日、COMDEXラスベガスの会場では、飯塚社長がMacintosh互換機ビジネスからの撤退を正式に認めたというような報道も一部でなされている。もともとアキア直販という方式で販売してきた製品だが、一部の量販店にある在庫もいよいよ底をつこうとしているように見える。昨夜、閉店間際の秋葉原某L店では注文用カードが二枚あったが、そのうちの一枚を衝動的につかんでキャッシャー・カウンタへ持っていった奴がいるので、在庫はあと一台ではなかろうか。
 ちなみにその、二枚のうちの一枚で発注を終えたのは当通信の編集者である。モニタもないのに、どうするつもりなのだろう(失笑)。

1997.11.21
 CPOレーベルから突如、どかどかと発売された「ツェンダー・エディション」シリーズ。ドイツの作曲家・指揮者ハンス・ツェンダーとザールブリュッケン放送交響楽団の組み合わせで10数枚。ツェンダーというと、ずいぶん以前にN響に客演していたことを思い出す。ヘンツェか何かやったんぢゃなかったかな、いや、あれはご本人の指揮だったか。
 新宿某店では1枚1,150円というお値段ながら、おそらくは極めて辛口であろう演奏内容を警戒して数日手を出さずにいた。しかし、シリーズ中にベルント・アロイス・ツィンマーマン作品集を発見。この作曲家の録音をみると何故か冷静さを失ってしまう編集者。で、マーラーの9番と一緒に入手した。他に6番も欲しかったが在庫切れ。
 マーラーから聴き始める。うーむ、予想に違わずスーパードライ演奏。そこまでインテンポを徹底するか! という1楽章や、いやに遅めのテンポで音の綾を丁寧にぜんぶ見せようとする3楽章にも驚くが、20分を切る終楽章が凄い。決して慌ただしくならないのが不思議だ。
 あまりの演奏に疲れてしまったので、ツィンマーマンはまた後日。曲が曲だけに(フォトプトシス他)、よほど健康状態が良くないと聴く気にならないと思う(^_^;)。

1997.11.19
 以前に当編集日記で紹介したNONESUCH / Film Series、やはり武満徹作品集は企画されていたようで、昨日新宿某店にて発見、さっそく入手した。
 ジャケ絵が凄い。前回のトリュフォーと同じデザイナーだろうか。写真はおそらく『他人の顔』(勅使河原宏監督)だと思うが、ミイラ男の顔が大写しになったジャケ絵がクラシック・コーナーにあると多少驚く(^_^;)。演奏は、聴いた限りではいまいちよく分からないが、ジョン・アダムス(!)指揮ロンドン・シンフォニエッタがクレジットされている数曲以外は多分サウンド・トラックなんだと思う。ライナーノートも英文読解力不足で、もう一つ判然としないのよね。
 音楽はなかなか良い選曲になっていて、『利休』で始まり『黒い雨』や『はなれ瞽女おりん』『愛の亡霊』などを聴かせてくれる。編集者はあの黒澤明の失敗作『どですかでん』の音楽に感銘を受けた。何気ないメロディが綺麗なんだよなぁ、武満さんって。ジョン・ウィリアムスにギターを弾いてもらって、それこそロンドン・シンフォニエッタあたりの演奏で聴くとまた良いかも。あぁ、もう一度『どですかでん』を観たいなぁ。

1997.11.13
 音盤ジャケ絵三昧に久しぶりにネタを一本。予告したR・シュトラウス協奏曲集の分です。それにしてもあのコーナーって、編集者の失敗談ばかりになりつつある。情けない(失笑)。
 お馴染みのサイト、飯尾さんのCLASSICAで、Webショップとタイアップした新コーナーが始まった。いやー、こうゆう企画こそWebならでは、と脱帽。ジャケ絵の取り扱いにも重要な示唆を戴いて感謝。

1997.11.11
 前回に引き続き、この週末も休日出勤というわけで脳が湯豆腐状態。更新ネタ(ジャケ絵にDGのR・シュトラウス協奏曲集を近々やります←予告)もあるんだけどいつ書くのか的有り様で、ストレス溜まってる。読者様には1分間の土下座にてご勘弁を(_ _)。
 通勤の行き帰りのCD聴取を復活して、精神の平衡を辛うじて保つ。ヴィーン・フィルのシュトラウス協奏曲集がいい。この曲たちは編集者の宝物(とくにオーボエ協奏曲)。やや危機感に煽られて聴いたマタイ受難曲(大バッハ、演奏はガーディナー)にはやっぱり返り討ちにあう。ドイツ語わかればもう少し味わいが違うかな。RVWの交響曲を順番に聴き始めた(スラトキン盤)が、海の交響曲ってやっぱりいいなぁ。
 Webサーフィンでみつけた新しいサイト。アッバード大好き山下さんの可愛いページ con grazia を愛読してます。立ち寄ると元気になるのが何より有り難い。アッバードって、DGで売り出し始めた頃(20年前くらいかな(^_^;))の宣伝コピー、よく覚えてる。引用はしないけど、あの頃のレコード会社って、どこも結構キアイの入った売り出しをしてたなぁ。

1997.11.04
 週末は休日出勤に引き続き自宅作業にいそしむトホホな連休。武満徹の追悼盤を聴きながら仕事をしていたら、CDプレイヤーが壊れて不快。しばらく前から、CDを載せるトレイが出てきても直ぐに引っ込んでしまい、わずか0.3秒くらいの間隙を逃さずCDを突っ込むというテクニックを求められる状況にはなっていたのだ。今度は、さらに曲の途中で針が飛ぶ(CDプレイヤーに針はない、念のため)という事態に突入。やっぱ修理かなぁ。
 新宿のいきつけCD屋さんでセールをやっているのでお知らせ。ただし輸入盤。DGだろうとDECCAだろうと、レギュラープライス盤が890円。ブーレーズの幻想、マーラー5番、中国の不思議な役人、ポゴレリチの展覧会の絵、あたりが新しめか。編集者はガーディナーの『ポッペアの戴冠』などを2,670円で入手。あ、お店はコタニさんです。

1997.11.01
 10.25の日記の続き。恐れていたことはやはり起きた(;_;)。例の髭面のエルガー交響曲1,2番2CDバジェット盤は、その後新宿某店Bに入荷、2,290円で発売されたのである。しくしく。2,580円で買ったわたしの立場は....
 泣いていても仕方ない。あらためてこの新宿某店B(T**** R*****のことね)の安さに感じ入った次第。ついでに同じシリーズでヴィーン・フィルの『ナクソスのアリアドネ』を入手。こういうのをナンピン買いによるリスクヘッジと....は言わないか。
 ところで、秋葉原某店で購入を見送ったあるCD、昨夜同じ店にまだあったので買ってしまった。モノは何かというと、クリストフ・ルセによるクープランのクラブサン曲集全11枚セット。いったいいつ聴くんだ!という突っ込みは無しですよ>>関係者各位。ちなみにお値段は12,800円だったかな。ナクソス並みの単価ですよね。ナクソスといえばこの秋葉原某店、値段が安いのだがこないだも昨夜も『死の都』『ペレアスとメリザンド』が在庫無し。死の都なんて珍しい曲、わたしは映画(『アリア』だたと思う)での引用しか知らなかったのだが、レコ芸で取り上げられたせいか、何処へ行っても在庫切れなのだな。うーむ。
 髭面のエルガー、1番は序奏からして「どこがNobleか」という独自の世界をつくっているが、2番は結構説得力があって面白かった。それにしても英国のオケがよくもまぁこんな演奏を、と思うのであった。


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